アーカイブ : 2009年 11月

次世代スーパーコンピュータと基礎研究。

なんとなく、ホリエモンのBlogを読んでたら、こんなエントリーを見つけた。一応、野党の自民党の参議院議員によるエントリーらしい。

国家戦略なき政権は国益を損する。:
http://blog.livedoor.jp/t_ichiro01/archives/51541431.html

理化学研究所の野依さんの講演を引用した上で、

ノーベル化学賞受賞者である野依先生の話は実に説得力があります。

…とのこと。

あー、「ノーベル化学賞」を受賞したら、無条件に発言に説得力が増すのだろうか…という突っ込みはさておいて(汗)野依さんが理化学研究所の理事長であることはやっぱり踏まえなきゃいけない気がするんだけど、与党のやることなすことを批判したくてしょうがない野党の人たちが、思考停止してネタに使ってるだけという印象が強いなぁ…。

とりあえず、私はスーパーコンピュータを使うような研究開発をやったことがないので、さっぱりわからない門外漢であることを踏まえてもらって、野依さんの発言を引っ張ってみると、

次世代スーパーコンピューターは科学技術の頭脳であり常に(一位を目指して)勝ち続けなければならない。外国から買えばいいとの発想は不見識極まりない。

との発言は、なぜそうなるのかよくわからない。

まず、スーパーコンピューターで勝ちつづけなくてはいけないと言っているが、スーパーコンピューターで日本が1位だったことって、そうないような気がするんだけど、それだけで日本の科学技術の敗北としてしまっていいのかという気がするし、仮に負けているとしても、その原因がスーパーコンピューターの性能競争の敗北であるというだけでは説明しきれない気がする。

…で。

ふと、東京工業大学が作ったPCクラスタのTSUBAMEと、地球シミュレータのことを思い出した。

どうやらスーパーコンピュータというものは、計算する対象によって最適化されているようで端的な計算能力だけで比較してもナンセンスかもしれないのだが、とりあえず、Wikipediaの地球シミュレータのページにはこんなことが書いてあった(…ま、Wikipediaの信憑性ってどうなんだっけって議論もあるけれど…)

2006年から運用されている米AMD社製Opteronプロセッサを用いた東京工業大学のPCクラスタTSUBAMEでは、単純にLINPACK性能のみで比較すると導入費用20分の1、電気代5分の1、計算速度1.6倍となる。

TSUBAMEは、AMDのプロセッサを使ったSunのサーバを並列化したもので、言うなれば、外国製の汎用品を集めて作ったモノで、一方の地球シミュレータはNEC製のプロセッサで、NEC製のOSが動いてる、国産の正当派スーパーコンピュータといった感じだろうか。素人的には、きっと野依さんが求めているのは後者なんだろうなと思う。

導入費用が20倍かかって、電気代が5倍(…電気代はささいな問題なのかも…)もかかるのに、外国産の汎用品の組み合わせに計算速度で勝てない、国産の正当派スーパーコンピュータの存在価値はどう説明するのだろうか。また、なぜ、国産である必要があるんだろうか。

…いやいや。

ぼんやりと考えているうちに、野依さんが守ろうとしているものの本質は、次世代スーパーコンピュータではないのではないかという気がしてきた。例えば、次世代スーパーコンピュータ向けの予算を削減するのに成功した財務省が何をするかというと、同じ論理(=多額の国家予算をつっこんでるのに、パフォーマンスが目に見えないから、予算縮小。という論理)をもって、理化学研究所が得意とするような基礎研究の予算を削ろうとするのではないか。

野依さんは、そういった財務省の動きを警戒して、「次世代スーパーコンピュータ」を巡る攻防(*)辺りで、日本の基礎研究を守るためのファイヤーウォールを置こうとしてしてたりしないだろうか。

(*)今回、たまたま「次世代スーパーコンピュータ」がやり玉にあがっただけの話で、「次世代スーパーコンピュータ」に、それを「日本の基礎研究」と読み替えられるようなシンボリックな意味を見いだしたとしたら、「国産」にこだわるのもどことなくわかるような気がしないでもない。例えば、上で引用した野依さんの発言の「次世代スーパーコンピューター」を「基礎研究」もしくは「日本の基礎研究」と置き換えても成立しそうな気がするし。

この議論、単に高性能なコンピュータをどう調達するかということにとどまらないのかもしれないなぁ…と遠い目(汗)

USEN、ISP事業をSo-netに売却…ねぇ。

どうやら、USENがISP事業をSo-netに売却するらしい。

USEN、ISP事業をSo-netに売却へ:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/25/news088.html

 USENは「GyaO 光 with フレッツ」などのサービス名で光接続事業を展開していたが、加入者は約23万件にとどまっていた。同事業をSo-netに売却する一方、有料動画配信サービス「ギャオネクスト」とSo-netの光接続サービスを両社で代理販売することで、映像配信サービスの販売力を強化できるとしている。

まず、「GyaO光」はラストワンマイルがBフレッツなので、USENは単なるISP事業をかなり小規模にやっていたことになる…と思ったら、asahi-netのIR情報を見てみたところ、2009年9月段階のasahi-netのFTTHな会員数は約21万人だった。まぁ、asahi-netより少し大きいくらいだから、小規模と決め付けるわけにはいかなさそうだ。で、一方、@niftyは、2009年3月段階で106万人とのことだから、「Gyao光」は大規模って感じでもなかったようだ。

asahi-netが事業売却を模索しているようではなさそうなので、USENのISP事業売却の背景には、USENに依存した事情がありそうだ。

ただ、「GyaO」ってブランド自体は、(GyaoがYahoo!動画と統合して、GyaoがYahoo!傘下になった関係で)もうYahoo!のものになっているわけで、ちぐはぐな感じにはなっていたのは確かじゃないだろうか。

Yahoo!動画とGyaO統合、「権利者を尊重する」No.1動画配信プラットフォームに:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/07/news099.html

ただ、個人的に気になっているのは、USENが始めた「BROAD-GATE 01」がどうなったのかということだ。

ちょうど、2001年頃の記事が残っていたが、要するにADSLが全盛の時代に、USENが自社運営FTTHを「BROAD-GATE 01」というブランドで提供していたのだ。ま、要するに、NTTのBフレッツに依存しないFTTHだったので、今、やっている「GyaO 光 with フレッツ」とは根本的に違っていて、USENの光ファイバーがかなり安い値段で引き込まれていた。そういえば、知り合いのマンションが「BROAD-GATE 01」を引き込んでいて、固定IPアドレスとか安い値段とか、かなりうらやましかった記憶がある。いつのまにか、自社運営のFTTHが、Bフレッツを使ったISP事業にすりかわっていた。たまたま見つけた資料によれば、2006年にブランド名を変更したようだが、その時点では60万人の契約数を確保できていたことがわかる。そこから、かなりの勢いで契約数を失ったことになる。

というわけで、先に、「USENに依存した事情」と書いたが、まさに、自社運営の光ファイバー網を使った「BROAD-GATE 01」への投資がUSENの重荷になったんではないかと邪推しているが、どうだろうか。

新型成田エクスプレスの無線LAN

あ、そういえば、成田エクスプレスが新しい車両を投入していたんだった。で、新しい車両にはインターネットアクセスが用意されているらしい。

新型成田エクスプレスのインターネット・アクセスを使ってみた:
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20091118/340674/

…なんかブログでよく見かける感じのタイトルだな(笑)

新しい車両では、車両自体が「UQ WiMAX」のWiMAX網に接続してインターネットとのアクセスを確保しつつ、そのアクセスラインを社内のWi-Fiでシェアする形のようだ。UQ WiMAXを契約しているか、ソフトバンクテレコムの無線LANサービスを契約していると使えるようになるらしい。

…ということは、トリプレットゲートの「WirelssGate」を契約していても使えるようだ。

WIRELESS GATE(ワイヤレスゲート):
http://www.tripletgate.com/wirelessgate/

2009年10月1日
新型成田エクスプレス(E259系)車内で、無線LANサービスがご利用いただけるようになりました。

で、帯域的には、どうやら、500Kbpsくらいは出るようだが、車内でe-mobileなんかの3G網につなぐので事足りるなら、あんまり使われないような気がするし、成田空港まで1時間くらいなんだから、その車内でPC使うかなという気がしないでもない。(成田空港を頻繁に利用するビジネスマンはすさまじい忙しさだったりするんだろうか…)

新しいスカイライナーも無線LANとか搭載しているのかな…。あっちの線路には3GとかWiMAXの基地局を置くような鉄塔があんまりなさげなので、大変そうだなぁ(遠い目)